友達から高価な絵をもらったとします。
とても古い絵で一部は色褪せ、染みやひび割れもあります。 それでも何億円もの価値がある傑作です。
心から感謝して、その絵を大切にすることでしょう。
エホバは私たちに命という貴重な贈り物を与えました。
お金に変えることは決してできない価値ある命を私たちは大切にしていきたいと思っています。
エホバも私たちの命を大切に思ってくれていて、愛の気持ちから私たちが生きていくのに必要なもの全てを与えてくださっています。
それだけではありません。私たちに充実した生活を送ってほしいと思っています。
「私はこう結論した。生涯の間,喜び,善を行う。人にとってこれ以上の幸せはない。 人は皆,食べ,飲み,一生懸命働いて充実感を得るとよい。それは神からの贈り物なのだ」。(伝道の書3:12,13)
充実した生活も神からの贈り物で、エホバは私たちがアドバイスを受け入れるならば、今の生活を楽しみさらに将来も永遠に生きることができるようにしてくださっています。
このような贈り物はどんな高価なものよりも貴重で、くださった方に感謝を示したいと思うのではないでしょうか。
では、どのようにこの感謝を表すことができるでしょうか?
友達からもらった高価な絵も、しまい込んでおくより部屋に飾って大切にしているならば、もらえて嬉しいということも友達への感謝も表せます。
送った友達も飾ってあるのを見ると嬉しく思うのではないでしょうか。
同じように、エホバのアドバイスを学んで実行しようと努力するなら、このアドバイスや命令という贈り物に感謝を示すことができます。
それで今日は神の言葉聖書から、充実した生活を送る上で記されている格言がどのように役立つのかを考えて、それを実行することによって感謝を示していけるようにしていきたいと思います。
聖書の中の格言の書には、エホバからのアドバイスが凝縮されています。
様々な分野における知恵が記されていますが、今日は特に幸せな生活に役立つ3つの分野に絞って考えたいと思います。
心と身の健康、お金や物に対する見方、対人関係という分野です。
<心身の健康>
今の時期ですと、お酒を飲む機会が少し増えてくるかもしれません。
聖書はお酒を飲むこと自体禁止しているわけではありません。
イエスもブドウ酒を楽しまれました。
「人はぶどう酒によってばかげたことをし,酒によって手に負えなくなる。これで道を踏み外す人は知恵がない」。(格言20:1)
この聖句は、お酒の飲み方に注意を払う必要があるという点に注目しています。
アルコールは知力に影響を及ぼします。
アメリカの国立薬物乱用対策研究所の出版物によりますと、 酒を飲むとアルコールが消化器官を通して血流中に吸収されすぐ脳に達し思考と感情を司る部分の働きが鈍くなるそうです。
アルコールを大量に摂取して馬鹿げた行動を取ったり,周りの人も手に負えない状態になったりするという人は少なくないようです。
また精神が錯乱し意識不明に陥ったりするだけでなく、健康に害を及ぼしたり,アルコール依存症というお酒の奴隷になってしまうかもしれません。
それで私たちはお酒を楽しむ際にも知恵を働かせ、節度を保って飲むようにしていきたいと思います。
「穏やかな心は体に良く,嫉妬は骨を腐らせる」。(格言14:30)
怒りや激怒に起因する病気には、呼吸器疾患や高血圧、肝臓疾患、膵臓の障害などがあります。
また医師たちは怒りや激怒という感情が、潰瘍や蕁麻疹、喘息、皮膚疾患、消化器系の障害などの病気を引き起こしたり、悪化さることを指摘しています。
それでこの格言から学べるように、すぐに怒ることを避けて穏やかな心でいるならば、心身の健康を保つ助けとなります。
「苦しむ人にはどの日も悪い日で,陽気な心の人には毎日が宴会である」。(格言15:15)
自分と自分の状況をどう見るかは、私たちの考え方次第となります。
何事も消極的に見るならば苦しい思いをすることになって、積極的に考えていくならば宴会を楽しむように喜びに溢れることができます。
心の奥底にいつも満たされないものがあり、価値のない人間だと思い込んでいたシーモンという女性は、この言葉を当てはめて努めて積極的な態度を保ち、個人研究や奉仕に励んで祈るようにしたそうです。
また積極的な見方を持つ人たちと一緒にいるようにして、 他の人のために何か努力するように心がけました。
そうすることによって本当の喜びを味わえるようになったと述べています。
特に今は世界中の多くの人が心の問題を抱えていると言われています。
心の健康状態を良い状態に保つために、格言の書には役立つアドバイスがたくさん載せられています。ぜひ活用していきたいと思います。
<お金や物に対する見方>
「富を得ようとして疲れ切ってはならない。そうするのをやめて理解力を示せ」。(格言23:4)
これは富を得ようとして働き過ぎるのは賢明でないということを意味しています。
お金があれば幸せになれるとか、何が起こるかわからない時代なのでお金さえあれば安心できると思い込んで、多くの人はお金を貯めるために大切な他のものを犠牲にしてまで働きます。
しかしお金があるという安心感は長く続くわけではありません。
経済が破綻して貯めてきたお金が一夜にして無くなってしまうこともあります。
また地震や台風といった自然災害など思いもよらないことによって家やお金も失ってしまうことがあります。
さらに、物質面で成功した人たちも幻滅を感じる場合が少なくないようです。
政治家や有名なスポーツ選手や王室の人々を接待する仕事をしていたジョンはこう述べています。
「私は仕事に全てをかけていました。羽振りが良くなり豪華なホテルに泊まり、ジェットで仕事に向かうこともありました。初めはそれを楽しんでいましたが、だんだん退屈になってきました。私がサービスを提供していた人は、上辺だけの人たちに見えました。私の生活には実質的なものがありませんでした」。
ジョンは富んではいましたが、生活に満足を得ることはできなかったのです。
「少しの物と共にエホバへの畏れがある方が,多くの富に心配が伴うよりも良い。
愛がある家で野菜を食べる方が,憎しみの中で上等な牛肉を食べるよりも良い」。(格言15:16,17)
多くの富を追い求めて心配事が付き纏うよりも、物質的には富んでいなくてもエホバとの良い関係を築く方が良いと言います。
全てのものの創造者で命を与えてくださったエホバを度外視して、物質の所有物の追求を生活上の主要な目標にするならば、うんざりするほど仕事に追われ、年老いてから人生が虚しかったことに気付くことでしょう。
また上等な高価な食卓であったとしても、共に食べる人との人間関係が築かれていないならば、それもまた虚しいものとなってしまいます。
簡素な食事でも愛がある人たちと共に食事を楽しむ方が幸せではないでしょうか。
今あるもので満足してシンプルな生活を送るようにしていきたいと思います。
<対人関係>
「心ない発言は剣のように突き刺し,賢い人たちの舌は人を癒やす」。(格言12:18)
この聖句から、話す言葉の力に注目することができます。
「心ない発言」という部分の注釈を見ると「軽率な発言」ともされています。
このような言葉によって人を傷つけることは容易にできます。
もしかすると皆さんも思いやりのないことを言われたり、馬鹿にされたことがあるかもしれません。
今では実際に言葉を発するというよりSNSなどで誹謗中傷されることがあります。
私たちは他の人たちがどんなことを言うかをコントロールすることはできません。
でもポジティブな「人を癒す」力というものを用いていきたいと思います。
親切で優しい言葉を聞くと、元気づけられたり爽やかになります。
例えば学校で、友達からの圧力を受けている子供たちがいるでしょうか?
いつも頑張っていることを褒めたり、
自分が子供の時どのように対処することができたか
ということを話してあげることができるかもしれません。
自分は役に立ててないと感じている年配の兄弟姉妹がいるでしょうか?
よく言葉を選んで、大事に思っているということを伝えることができます。
慢性的な病気に悩まされている人がいますか?
実際に会って話したり電話をしたり手紙やメールを送ったりして
優しく気遣うならば、病気の人は元気が出るかもしれません。
このように穏やかに気遣うように言葉を用いていくならば、
仲間との良い関係を築くことができます。
「聞かないうちに返事をする人は,愚かであり,辱められる」。(格言18:13)
実際に聞くこともそうですけども、聞いたことを確認するということの大切さにも注目することができます。
例えば今まで仲良かった友達から酷いことをされたり言われたりしたら、その人と付き合うのをやめてしまいますか?
そうなる前に次のように考えてみましょう。
「どうしてあんなことを言ったんだろう。何か私が知らない事情があるのだろうか。すごいストレスでイライラしていたのだろうか。悪気はなかったのかもしれない」。
このように考えて別の機会の時に近づいてみて、 率直に尋ねてみることができるかもしれません。
傷つけられたように思えてとしてもそれがあなたではなかったというようなこともよくありますので、聞くようにという格言のアドバイスを行っていくならば、良い本当の友情関係というものを築いていくことができます。
では、本当の友達とはどんな人間関係なのでしょうか?
「真の友はどんな時にも愛を示す。苦難の時に頼れる兄弟である」。(格言17:17)
本当の友達は、上手くいってる時もそうではない時も、愛を示し合って支え合うことができます。
先ほどのシーモンという女性も平衡の取れた積極的な見方をするための良い方法として、友達に胸の内を明かすのはとても助けになると認めてこう述べています。
「自分の気持ちを話すことです。大抵の場合ただ話すだけで十分です」。
楽しい時だけでなく辛い時にも支え合える友達というのが本当の友達といえます。
SNSなどの友達登録件数よりも、この真の友というものを見出すようにしていきたいと思います。
格言の書が幸せな生活を送るために今も役立つ3つの分野を考えました。
聖書のアドバイスというのは、確かに私たちのためを思うエホバの愛が込められたものであるということがよくわかります。
私たちはそのアドバイスを取り入れ、生活しようと努力しています。
しかし私たちも不完全で弱いところがあります。エホバのアドバイスに気持ちがついていかないということがあるかもしれません。
そのような時にはどうすれば良いでしょうか?
エホバを愛することとエホバを畏れることの両方が必要となります。
まずエホバへの愛があるならば、エホバに従いたいアドバイスを受け入れたいという思いが強くなります。
では畏れることはなぜ必要なのでしょうか?
「エホバを畏れるなら命に至る。その人は心地よく休み,害を受けない」。(格言19:23)
エホバを畏れるというのは、怖がって震えるということではありません。
エホバを心から敬い、悲しませて友情を損なうようなことはしたくないと考えることです。
気持ちがついていかないとしても、エホバへの健全な恐れを抱いてアドバイスを受け入れていくならば、 清い良心が保たれて心地良く夜休むことができるだけでなく、「命に至る」とここでは述べられています。
それで気持ちがついていかないならば、 正しいことをするための助けをエホバに祈り求めたいと思います。
この点でダビデの祈りに倣うことができます。
「エホバ,あなたの道を教えてください。私はあなたの真理に従って歩みます。
私の心を一つにしてください,私はあなたの名を一心に畏れます」。(詩編86:11)
エホバは、この謙遜な祈りを聖書の中に残してくださいました。
私たちにも同じように助けを求めて祈ることができるということを、エホバはここで教えてくださっているのです。
そのようにしてエホバを畏れエホバからのアドバイスに従っていくならば、先ほど読んだ聖句にあったように「命に至」ります。
では、この命とは何を意味しているでしょうか?
「永遠の命を得るには,唯一の真の神であるあなたと,あなたが遣わされたイエス・キリストのことを知る必要があります」。(ヨハネ17:3)
聖書の教えを実践していくならば、永遠の命を得ることができるとエホバは約束しておられます。
その中には、イエス・キリストについて知る必要があるということも分かります。 なぜでしょうか?
「神は,自分の独り子を与えるほどに人類を愛したのです。そのようにして,独り子に信仰を抱く人が皆,滅ぼされないで永遠の命を受けられるようにしました」。
(ヨハネ3:16)
エホバは私たちの命を救うためにイエスを贖いとして与えてくださいました。
この贖いとなったイエスに信仰を働かせてイエスに従っていくことが永遠の命を得るために必要なことになります。
残念なことに永遠の命への道を選ぶ人は「少ない」とイエスは言っています。(マタイ7:14)
現在、世界中で聖書のアドバイスを受け入れて生活している人は900万人程います。世界人口からすると、それは少ないかもしれません。
もしかすると聖書のアドバイスは古くて役に立たないと思っている人や、厳しすぎて喜びを感じられない詰らない道だと考えているのかもしれません。
しかし、しっかりと読んでそのアドバイスを受け入れていくならば、今も役立って満足のいく生活を送ることができるのです。
それで、これからもエホバの助けというものをフルに活用して、 命への道を見つけて進んでいきたいと思います。
このエホバの助けというものには、主に3つあります。
「エホバは悪人から遠く離れていて,正しい人の祈りを聞く」。(格言15:29)
正しいことをしたいという願いの祈りをエホバは聞いてくださいます。
エホバに祈り、聖書から学んだ通りに行動できるよう助けを求めていきましょう。
「賢い人は聞いてさらに教えを受け,理解力のある人は的確な導きを得る」。(格言1:5)
エホバの証人の集会で聖書をさらに学んでいって、沢山の仲間との交流を深めていきましょう。
「巧みな指揮がないと民は倒れ,助言者が多ければ成功する」。(格言11:14)
長老を始めクリスチャンとしてバランスの取れた生き方をしている人から、聖書の教えに基づいてどう考え行動したらよいのかを教えてもらいましょう。
このような3つの助けをフルに活用していきたいと思います。
今日は聖書の格言が私たちの生活に役立つことを考えることができました。
エホバのアドバイスは、いつも私たちのためになります。
アドバイスをいつも受け入れ、エホバへの感謝を示していきたいと思います。
「賢い人の教えは命の源であり,人を死のわなから遠ざける」。(格言の書13:14)
最も賢い方であるエホバからの教えというのは命の源です。
私たちは様々な問題がある世界で生活していますが、エホバのアドバイスを受け入れて実践するならば、死の罠から遠ざけられます。
これからも役立つ聖書の格言を学び続け、エホバに助けていただきながら、命の道を歩んでまいりましょう。